そんな夜に聞いてくれ

ビールと木綿豆腐があれば人生幸せ。そこに、刺身なんてあった日には…もうね。そんな程度の人生を送るヤングおっさんのブログ。

初めてのデリヘル奮闘記

どうも、ギリペイです。地獄の猛暑も終わり、秋を通り越して季節はもう冬。年を重ねていくごとに月日が経つのが早く感じられる、月並みな言い表しですが、毎年このぐらいの時期になると、しみじみと感じてしまうものです。11月って、なんかいい。今年も残すとこ、あと二ヶ月…年を越す前に、色々と追い込みをかける月だと思います。このブログもその一つなわけですが先日、平凡なギリペイの人生で開拓したことが一つあるので、今晩はその話でも。

 

その日、ギリペイは仕事の試験を終え、電車に乗っていた。試験の緊張感から解き放たれ、ガタンゴトンと揺れる電車の中で、“この解放感をどうしてくれよう”と胸の中で模索していたのだ。焼肉でも食いに行くか。洋服でも買いに行くか。映画でも見に行くか。暗がりの中、手探りで探り当てるそれらは何かが違った。闇の中に微かな光を見つけた。

 

M性感

 

それを手に取った瞬間、ギリペイの手に“じわり”と汗が握り、試験とはまた別の緊張感が襲ったのです。さっきまでの緊張というそれは、顔つきがまるで違った。そこには“喜び”がある。ギリペイは一呼吸置いた後に、おもむろにスマホを取り出し、かねてから密かに準備をしていたサイトをブックマークの中から選択した。これだ。期待を胸に池袋で降りた。

 

西口ホテル街まで来たところで、再びスマホを取り出す。出張型のその店は電話で女性を呼びよこさなくてはいけないのだ。脈拍が早くなるのが分かった。どうしても、“発信”が押せない。恥ずかしながら小生、出張型というものを利用したことがないのでございます。ちなみに、“ラ”の付くホテルも未経験でございました。恥ずかしい限りでございます。

 

ホテル街を行ったり来たりしているギリペイは間違いなく不審者そのものでした。それもそのはず、どこへ行っても人が多く、その人込みの中でベースケな電話をするのは、羞恥プレイに近いものがあるのです。しかし、この“発信”を押さない限り、ギリペイがここに存在する意味はなく、人生で最も無意味な時間を過ごすことになる。ふと頭の中にアンパンマンの歌詞が廻った。なんのために生まれて、なにをして生きるんだい、わからないまま終わるって、俺はそんなの御免だね。たしかそんな歌詞だったと思う。コールが3回鳴り、男性が電話を取った。

 

「あ、はい…あ、そうです…なんていうんですかね、その、あの真ん中の…はい、アナナントカの…開発ですか…あ、はいそれで…90分でお願いします…着いてからですね、あ、わかりました…失礼いたします」

 

引き潮のごとく、全身が脱力する。我ながら無様な電話だったと思う。けれど、この経験は必ず未来に繋がるものになるはずだ。きっとね。

 

少し外れにあるホテルを選び、侵入した。ロビーにはパネルがあり、何となく話には聞いていたが、目の前にそれがあることに少し感動する。ギリペイも大人なんだなと再確認して、2時間3,500円の部屋へ向かった。

 

“ラ”のつくホテルとは思えないほどのTHE普通の部屋である。風呂場、トイレを確認し、ベッドにダイブした後、お店に再度電話をする。先ほどと同じ男性が電話を取った。部屋に一人ということもあり、先ほどとは打って変わって、ハキハキした声で話せる自分がいた。おそらく、電話の向こう側ではギリペイが別人だと思ったのではないだろうか。それほど、さっきまでのギリペイはいなかった。

 

ギリペイうっかりしていた。そういえば指名をしていなかったのだ。電話の男性に指名ができるかを聞くと、案内できる女性を教えてくれた。ギリペイは細身の女性が好みなので、Sさんを指名したところ、1時間待ちとのこと。「おっけ。んじゃ、それでよろしくッス」明らかにギリペイは別人と化していた。

 

何か心に引っかかるものを感じた。2時間3,500円ということはだ、1時間待った後に90分のプレイ時間だろ。

 

延長料金発生するじゃん。

 

急いで半泣きでロビーへ確認しに行くと、親切な優しい店員さんが3時間4,500円コースに切り替えてくれると教えてくれた。ギリペイは満面の笑みで部屋へ戻り、“夕方サテライト”を見ながらベッドでくつろいだ。ちなみに塩田真弓アナウンサーを目当てで、ギリペイはこの番組を毎日録画しているのである。一時間が経ち、スマホが鳴った。電話に出ると、再び登場、先ほどの男性だ。

 

なんと、電車の都合でSさんが遅れるとのこと。ギリペイは優しい、はっきり言って優しすぎて損する性質である。「ええんやで。事故には気を付けてと伝えてや」と、電話を切った後、何か心に引っかかるものを感じた。

 

3時間4,500円ということはだ、1時間の待ち時間に90分のプレイ時間だろ。合計2時間半だから。

 

場合によっては延長料金発生するじゃん。

 

急いで半泣きでロビーへ確認しに行くと、親切な優しい店員さんが「30分毎に1,500円発生します」

 

無慈悲だった。

 

半泣きのまま部屋へ戻り、お店へ確認の電話をすると、「延長料金は店が負担しますのでご安心ください」

 

ギリペイは満面の笑みに戻った。

 

感情がめちゃくちゃだった。情緒不安定一歩手前、右ならえ前ならえだ。

 

信じられないことに、それから1時間経ってもSさんは来なかった。店に確認の電話をするが、出ない。何度も何度も何度も電話をしたが、出ないのである。心が折れそうになり、頭に“帰る”という文字がよぎった、その瞬間である。部屋のチャイムが鳴ったのだ。脈拍が早くなるのが分かった。と同時にSさんのハードルが上がりに上がっていることに気づいた。待ち時間2時間、ドアの向こうに君はいる。ドアノブに手がかけられない。鳴り響くチャイム。高鳴る鼓動。今日のグループ面接を思い出した。あの時、ドアを開けられたじゃないか。いや、厳密には最後尾だったので開けたのはギリペイではなかったが。上手にドアを閉められたじゃないか。それでは皆さん笑顔で再開しましょう。では、また。

 

ただいま。大人の遊びってこういうことを言うんだなって、今はそんな心境です。目まぐるしく流れた一日だったけれど、人生に確実に良い影響を与えてくれる時間を過ごせたと思う。この経験が有るのと無いのとでは、きっと未来が変わってくるでしょう。そして、出会う人によってもそれは同じ。

 

ギリペイは満面の笑みである。

 

高鳴る鼓動を抑え、ドアを開けた瞬間、そこには“中川翔子”がいた。傍らに、大きなキャリーバッグを置いて、しょこたんはそこに立っていた。ギリペイは心の中でガッツポーズを何回したかは覚えてないが、でもいっぱいした。

 

何を隠そう、ギリペイはしょこたんのライブや握手会に行くほどのファンだったのである。話が出来すぎていて、正直ギリペイ自身ドン引きするほど嬉しかった。そして、しっかりと開発してもらった。

 

ただひとつ、帰りにフロントで延長料金をSさんに支払ってもらっているギリペイは、大人の男とは程遠かった。以上。